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はうとぅ独占インタビュー
〜指導者たちが語るカンボジアという国〜
HE. Say Hak (サイ・ハック)
シハヌークビル特別市 市長

カンボジアの特別市シハヌークビルの港湾開発と、リゾート開発
Q1.
シハヌークビル特別市の概要、地域産業、観光産業の現状を教えてください。
A1.
シハヌークビル特別市は人口18万人の都市で、ミッタピエップ郡、プレイノップ郡、ステンハウ郡と3つの郡に分かれており、22区、194の村、22の島を擁しています。
プレイノップは農業中心の地域で、市街地のあるステンハウは観光と工業の地域です。特に、現在は観光誘致政策を促進しているところです。
カンボジアを訪れる旅行者のほとんどは、シェムリアップを観光します。2005年には140万人もの数に達しました。が、シハヌークビルを訪れる外国人旅行者は年間5万人でしかありません。そこで、より多くの観光旅行者が、もっと気軽にシハヌークビルへ来ていただけるよう、これまで機能していなかった飛行場を拡張・整備することにし、現在既に着工しています。2007年1月には、シェムリアップ−シハヌークビル間の国内便が飛び始める計画です。今のところシェムリアップからでは車での移動となり、9時間近く掛かってしまいますが、飛行機なら1時間ほどで来ていただけるようになるでしょう。現在の1300mの滑走路を、2008年には3000mまで延ばし、大型旅客機の発着ができるように計画しています。ジャンボジェットクラスの旅客機の乗り入れが実現し、国際空港として整備されれば、日本や台湾、香港などから直接飛んで来られるビーチリゾート地になるという、大きな可能性を秘めているのです。
Q2.
プノンペン−シハヌークビル間は、定期長距離バスも運行していて、片道4時間近くで往き来できるので、多くのリゾート旅行者が遊びに訪れています。航空路線が運航し始めれば、今度はシェムリアップ観光客も気軽に遊びに来ることができるわけですね。シハヌークビルの観光について教えてください。
A2.
世界遺産であるアンコール遺跡群では、文化的魅力に満ちた観光を楽しめると思いますが、ここ、シハヌークビル近郊ではビーチリゾートや、自然のまま残された美しい海と島々、大自然を満喫していただけます。
浜辺に敷き詰められた白砂、波打ち際には美しい貝殻が寄せられ、波風の少ない遠浅の海ではゆったりと海水浴が楽しめます。大きく広い空の下、エメラルドグリーンに煌く水面を向こうに、獲れたてのシーフードを浜辺で炭火焼き、なんて楽しみ方もあります。陽射しや乾杯に疲れたら、海の家のゴザの上、屋根の下のハンモックで好きなだけうたた寝をする。カンボジア人も大好きな海での休日です。日頃の喧騒や多忙を一気に忘れられる、安穏としたリゾート地です。
昨今の世界事情と比べましても、フィリピンやインドネシアのバリのようなテロに遭う心配もありませんし、津波もありません。観光開発が更に進めば、他のビーチリゾート地に負けない魅力があると考えています。
先ほど、22の島があると言いましたが、それはいわば、私たちシハヌークビルはまだお化粧を知らない、22人の娘をもつ親のようなものです。これからの開発で、より魅力的にし、多くの観光客に楽しんでいただきたい。
ただ、みな同じではなく、それぞれの個性に合わせた化粧、開発をしなければなりません。珊瑚が群生している地域や、イルカに出会える場所、釣りや他のレジャーに適したところ。それぞれの地域に合わせた、自然と調和した開発を心掛けなければならないと思っています。そのためには、行政によって管理し、乱開発を招かないような注意が必要です。
シハヌークビルは、魅力溢れる観光開発と充実した設備、そして心休まるサービスを提供できるようにとの青写真を描き目指しています。将来的に、アンコール遺跡観光の旅行者200万人の1割の観光客にお越しいただければ、この地域の経済発展にも大きく貢献していただくことになるでしょう。
それは、カンボジア政府の重要政策のひとつである、貧困撲滅政策につながっていくことでもあります。観光開発が進めば、労働力の増加に伴って食料の需要も膨らみます。それは、農村部への労働力の受け入れや農業の振興にも役立っていくでしょう。
しかし、人が増え、豊かになっていけば、環境の問題が出てきます。その点もしっかり管理し、いつまでも自然の美しさを守っていくことが重要です。
Q3.
観光開発が進めば、それにつれて観光産業従事者もどんどん必要になってくる。貧困者の削減や就業率の上昇、地域経済の発展につながっていきますが、ここシハヌークビルは外海に面したカンボジア唯一の国際港です。工業分野での計画を教えてください。
A3.
工業や産業誘致の可能性としては、シハヌークビル港にはニューポートと呼んでいるコンテナー港の整備も進んでいますし、立地はタイとベトナムの間にあり、両国への陸路での輸送も可能な地域である、ということです。
今、多くのカンボジア人労働者がタイへ出稼ぎに出ているように、カンボジアの人件費はまだ低いと言えます。産業用地もまだ安いと言えます。近々、JBICからの円借款でシハヌークビル港に隣接する地域に70ha(ヘクタール)の経済特別区の建設が始まります。それを手本として、シハヌークビル経済特別区の開発面積を780haまで広げる計画を持っています。
現在、タイ国境のポイペト市とスヴァイリェン州のベトナム国境に隣接する地域に経済特別区ができ、稼動していますが、ほとんどの加工生産品はタイとベトナムへ輸出されています。それは企業にとってタイやベトナムの国内で生産するより、国外であってもカンボジアの経済特別区で生産したほうが、メリットがあるからでしょう。しかしそれらの地域は、タイのランチャバン港まで200km、ベトナムのサイゴン港まで100kmも離れています。780haのシハヌークビル経済特別区は、港からわずか20kmの地帯に計画していますので、よりメリットのある生産地として受け入れられると考えています。そのためには、電力供給から工業用水供給、汚水や廃棄物処理の問題、労働者の住宅や食料の供給など、あらゆる面を整備していかなければなりません。
今、町の中には職に就けずに、貧しい生活を強いられている不法滞在者が散らばっていますが、工場の誘致によって貧困者に雇用の機会を与え、労働者の町を作って安定した生活ができるようにしていかなければならない、と考えています。
Q4.
シハヌークビル観光の魅力、立地条件とカンボジアならではの競争力を活かした大規模な産業誘致構想のお話を伺いましたが、どの様な開発が既に始まっていますか?
A4.
観光旅行者がまだ少ないとはいえ、カンボジアの国自体の復興、経済発展に伴ってシハヌークビルでもリゾートホテルの建設が盛んになっています。日本の民間企業による、観光ホテルの建設も始まっています。
オーチュティールビーチの開発事業も始めました。
シハヌークビル市内の下水道整備が不十分であり、下水は垂れ流しに近いため、最近、外国人旅行者にも人気が高いオーチュティールビーチの水質悪化が心配され始めています。タイのパタヤビーチのようになっては大変です。そこで、これ以上の水質汚染を防ぎ、元のきれいな海に戻すため、汚水処理場までの下水道を整備し、ビーチに公衆トイレやシャワー室を設備し、同時に駐車場や海の家の区画整理もして、ビーチ全体の景観を改善するという計画が持ち上がっています。
今の状態は無秩序に建てられた小屋のために、海岸通りからでは海が全然見えなくなってしまっています。そこで、海の家の区画を整理し、建物のデザインを規格化して海を眺められる、海の景色と調和し、且つ、近代的デザインで設計されたビーチリゾート地帯を造る計画です。そこにはビーチバレーボールのコートや野外コンサート会場なども設備して、多様なレジャーを楽しんでいただけるようにと考えています。
Q5.
確かに、数年前までは砂浜の西よりに点在しているだけだったリゾートホテルや海の家が、ビーチ全体に広がり、通りから海が見えなくなってしまっていますね。景観が良くなることは嬉しいですが、いま在る海の家は立ち退かされるのでしょうか?
A5.
いいえ、既存の海の家を追い出すわけではありません。ビーチ開発の計画を話し、建て直しは必要になってしまいますが、賛同してもらっています。リゾート客に気持ち良く楽しんでもらえるビーチに造り変えるわけですから、海の家の経営者にとっても利益がある筈です。そして、店の前浜をきれいに保つこと、清掃は義務とします。できあがった舗道や建物は、きれいにする価値がある、と地元の人も喜んで持続できるようなものにします。整備された遊歩道には噴水や緑の植物を配し、それから海岸線を走る車両も増えると見越し、車道と隔てて安全を確保することも大切です。数年後には、ショッピングバッグを片手に、お喋りに興じながら軽やかに歩く観光客や、犬や子どもと散歩を楽しむレジデントの姿が「未来予想図」ではなく、本物になっていると、想像してみてください。楽しみでしょう!
オーチュティールビーチの開発計画は、民間企業の投資を募って行っています。ただ、一企業ではなく、駐車場運営する企業、シャワールームを運営する企業という様に分けて、契約しています。それらは市が統括管理する計画となっています。
Q6. 最後に日本人観光客へのメッセージをお願いします。
A6.
カンボジアの海はシハヌークビルだけではなく、コッコン州からカンポット州までの海岸線の総長は119.5kmに及びます。その内、砂浜は延べ36kmあり、そのほとんどが自然豊かな海岸です。そして、海へと注ぐ河口には広大なマングローブ林がつづき、沖には美しい島々が浮かび、きれいな海ではダイビングも楽しめます。
ご自分の目で是非確かめにいらしてください。自然豊かな海で獲れる、海老や蟹、新鮮な魚貝類を食べにいらしてください。
日本とカンボジアは文化的に似ているところがあると思います。カンボジアは王国で、日本は天皇制です。大切なものを重んずる気持ちに共通点があるのではないかと思います。カンボジアは、今まで日本から沢山の無償援助を受けています。それは、昔からの友好関係があるからでしょう。私が希望を持っているのは、日本とカンボジアのあいだには友情、良い友だちのような関係が築かれていることです。多く来ていただいている日本人観光客の皆様が使っている滞在費用は、カンボジアの貧困撲滅に直接つながっています。
是非、ここシハヌークビルへも遊びにいらして、自然を満喫してください。
丘の上から見たシハヌークビル港


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